はやく吸う、たくさん吸う【吸水性】

 吸水性は『はやく吸う』(吸水速度)と『たくさん吸う』(保水量)に分けて表示しています。2つの項目に分ける理由として、『はやく吸う』(吸水速度)は、吸水性に対する感覚的満足度に大きく影響しますが、『たくさん吸う』(保水量)は、タオルの使用目的により満足度が異なるからです。
一般的に、タオルの保水量を多くするには、タオルを厚手にする必要があります。しかしながら、厚手のタオルは、年配の方や小さなお子様には、あつかいにくいこともあり、また乾燥性も悪くなります。
格付けラベルには、厚さの目安も表示してありますので、各項目を参考にして、最適なタオルを見つけてください。さて、吸水性の検査方法ですが、下記のJIS(日本工業規格)の試験方法で検査します。

JIS L 1907 繊維製品の吸水性試験方法(5.3表面吸水法)

 試験方法を簡単に説明しますと、タオルを直径2cmの円形部分だけ水を含んだガラスフィルターに接触させます。その時、タオルに吸収されるされる水の量が秒単位で測定されます。試験結果として、最大吸水速度、飽和吸水量が求められます。当タオル格付協議会では、最大吸水速度(ml/秒)の値を『はやく吸う』として、飽和吸水量(ml/cm2)の値をわかりやすい単位(ml/m2)に換算し、『たくさん吸う』として表現しています。

早く乾く【乾燥性】
 日常、繰り返し洗濯して使用されるタオルにとって『早く乾く』(乾燥性)ことは、重要な要素です。
特に、雨の日や花粉の付着が気になる季節は、部屋の中で干したり、電気乾燥機を利用したりしますが、電気乾燥機を使用する場合などは、早く乾くほど経済的です。
乾燥性の検査方法は、大阪府立産業技術総合研究所により研究発表された評価方法により検査します。
 試験方法を簡単に説明しますと、10cm×15cmの大きさのタオル試料を電気洗濯機で洗濯し、円心脱水処理した状態から、50℃の乾燥機内で乾燥するまでの時間(分)を測定します。


毛羽の出にくさ【洗濯脱綿率】
 洗濯した時に、タオルから繊維が抜け落ちる事を毛羽落ちや脱綿といいます。タオルを使用している時に抜け落ちる毛羽や風綿との違いを明確にするため、当タオル格付協議会では、“洗濯脱綿”と表現しています。洗濯脱綿率が高いと、タオルから抜け落ちた繊維が、他の洗濯物に付着して外観を損ねます。また、タオル自体にも再付着して、使用時の綿風が多くなります。格付けラベルは、★の数が優秀なイメージとなるように『毛羽の出にくさ』と表示しています。
 さて、洗濯脱綿率の検査方法についてですが、JIS(日本工業規格)等で統一された規格がなく、各検査機関が独自の方法で評価しているのが現状です。当タオル格付協議会では、試験方法とともに、データベースも公開されている、大阪府立産業技術総合研究所の評価方法により検査します。
 試験方法を簡単に説明しますと、タオル試料1枚だけを家庭用電機洗濯機で洗濯し、洗濯排水および洗濯槽内の糸クズネットより、タオルから抜け落ちた洗濯脱綿を採集します。得られた洗濯脱綿の質量を洗濯前のタオルの質量で除してパーセント表示し洗濯脱綿率(%)として求められます。